遺品の整理は初めてという方も多く、戸惑うこともあるのではないでしょうか。中でも遺品を供養しようとなれば、なおさらどうしたものかと悩むでしょう。今回は供養する方法の中でも、遺品整理業者での供養を利用する手順をご紹介します。
① 依頼先を検討する
遺品整理(遺品の供養)は遥か昔から行われていましたが、遺品整理という言葉の元で行われるようになった歴史は長くありません。遺品整理業者の歴史となると、ごく最近と言っても良いかと思います。遺品整理業者が出てくるまでは、故人の物を処分する際には、便利屋さんと呼ばれるような業者の方が不用品回収の一環として行っていました。しかし時代の流れとともに高齢化が進み、遺品整理は成長産業の一つと認識されたため、多くの企業が遺品整理業に参入したのです。その結果、業態としての歴史が浅いながらも、かなりの数の遺品整理業者が存在しています。中には利益だけを求めて参入し、心ない対応をする企業もゼロではありませんので、慎重に選びたいですね。
選定基準として、各種許可を受けているかといった部分もありますが、利用するにあたって金額設定が明瞭であるかはやはり重要です。また遺品整理においては特に、事前説明や打ち合わせに十分時間を割いてくれるかなど、丁寧な対応をしてくれるのかという点も重視したいですね。さらに回収処分、買取、供養、清掃など一連の作業を担っているところにお願いできれば、供養だけでなく整理や買取も一度に終わらせることができて便利です。
最後に大きなポイントをお伝えします。それは供養方法の違いです。遺品整理業者によって、提携しているお寺や神社でお焚き上げをしてもらえるところ、一度に他の遺品と合同で僧侶が供養した後、通常の不用品と同じように処分するところなど、違いがあります。もしお焚き上げを絶対にして欲しいのであれば、そのような業者を選ぶ必要があります。また立会いの可否もポイントでしょう。しっかり確認しておきましょう。
予算は余分にかかりますが、合同ではなく個別、宗派別の対応をしてくれる業者もありますから、どのような供養を望んでいるのかを、遺族同士でもしっかり話し合っておきましょう。
② 申し込みをする
遺品整理と同時に申し込みをする場合は、一度見積もりを取ってもらうことがほとんどでしょう。基本的には、見積もり段階で費用がかかることはありません。
遺品整理のプラン内に、すでに供養に必要な費用が含まれていることもあれば、別途料金が必要な場合もあります。見積もりが出たら内訳をしっかり確認してから申し込みましょう。もちろん供養をすると、単に不用品として処分するよりもコストはかかりますから、どの品までを供養の対象とするのか明確にしておきましょう。
供養だけをお願いする場合には、一部お寺や神社でも行われているような宅配サービスが便利です。遺品整理を依頼するほどの量はないが、供養はお願いしたいという場合に利用すると良いですね。遺品整理業者で便利なところは、郵送供養セットのようなキットを購入すると、ダンボールや梱包材、申込書、返送用ラベルなどが送られてきて、準備が不要な点です(自分で段ボールなどを用意するパターンもあります)。宗教上の儀礼などを気にする必要もなく、金額も明確ですので、どなたでも利用しやすいでしょう。
③ 支払いの方法
遺品整理と一緒に行う場合は、遺品整理費用と同時に支払うことになります。その場合は、すべての作業が完了した後の支払いが多いようです。中には先払いのところや、先払い・後払いを選択できるところがあります。その場合は、都合に合わせて選択します。現金払いの他に、クレジットカードでの支払いが可能な業者もあります(後払いといっても、作業終了のタイミングです)。
郵送サービスを利用する場合は、申し込み後に振り込みやクレジットカードなどで支払いし、完了次第キットが送られてくるという流れが基本です。
最後に
遺品整理業者で供養してもらった場合、なんとなく本当に供養してもらったのかな?と不安に思う方もいるかもしれません。しかし途中ご紹介したように、供養に立ち会いができるところもありますし、立ち会いが難しくても、僧侶の方などが供養したという証明書を送ってくれるところも多いです。安心できる業者で、故人のための供養ができると良いですね。
遺品の供養は、どうしたらいい?〜お寺や寺院の供養を利用する手順〜