遺品整理する際の、産業廃棄物、一般廃棄物の取扱まとめ

遺品整理する際の、産業廃棄物、一般廃棄物の取扱まとめ

近年増えている遺品整理業者。実は遺品整理業者が遺品を回収する際に、許可がいることをご存知でしょうか?廃棄物には「産業廃棄物」「一般廃棄物」と2種類あり、これらの廃棄物を回収する際にはそれぞれ許可が必要で、取扱っていい廃棄物が違います。

遺品整理業者の不法投棄問題

残念ながらここ数年急増している遺品整理業者の中で、必要な許可を取らずに営業している業者が多くなっています。また不用品を回収しておきながら、この許可がないために適切な処理ができず不法投棄するような業者も増えています。
なかなか聞きなれないこの2つの廃棄物の名前ですが、これから遺品整理業者を検討されている方は、きちんとした業者を選ぶために、2つの廃棄物の違いを知り、遺品整理業者とのやりとりをスムーズにしましょう。

産業廃棄物・一般廃棄物の違い

廃棄物は「産業廃棄物」・「一般廃棄物」の2種類に分類されます。

■「産業廃棄物」…主に工場や店舗などの事業を行っている場所で発生する廃棄物。
■「一般廃棄物」…産業廃棄物以外の廃棄物。その中でも細かく分けられており、「家庭系一般廃棄物」「事業系一般廃棄物」「し尿」となります。

日々、私たちの家庭から出る廃棄物は、「家庭系一般廃棄物」として処理されています(主に可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみ・有害ごみ、など)。「事業系一般廃棄物」は産業廃棄物以外の事業所で出た廃棄物をいいます。分類は家庭系廃棄物と変わりありませんが、「家庭から出ているごみ」か「事業所から出ているごみ」か、という違いで決まります。「し尿」は、あまり耳にしない言葉かもしれませんが、「用を足す際に使われたトイレットペーパー」「浄化槽に溜まった汚れ」を指します。どちらも水洗式のトイレには当てはまらず、汲み取り式のトイレ、または浄化槽を使用しているトイレが該当します。

ごみの回収には許可が必要

2種類の廃棄物を取扱うためには、それぞれ独立した許可が必要です。
■産業廃棄物を回収する場合…「産業廃棄物の許可」
■一般廃棄物を回収する場合…「一般廃棄物の許可」
上記の許可が必要であり、どちらかを持っているから、両方回収できるわけではありません。

家庭ごみを回収する際は、産業廃棄物の許可では回収はできません。家庭ごみのほとんどは産業廃棄物ではないからです。産業廃棄物と一般廃棄物は、ごみの分類に大きな違いがあります。特に産業廃棄物は、同じ廃棄物であっても事業の種類によって分類が異なるなど、細かく分かれているのが特徴です。これは事業によって出る廃棄物の中に含まれる有害な物質を、適切に処理する必要があるためです。

遺品整理の回収に必要な許可は?

遺品整理の際に出るものは、ほとんどのものが「家庭系一般廃棄物」として取り扱われます。ですので「一般廃棄物の許可」が必要となります。

しかし、家庭から出る廃棄物の処理は、行政が責任を持っているため、市区町村の管轄で行われており、この「一般廃棄物の許可」は許可を取ることが難しく、遺品整理業者で持っている業者はあまり多くありません。そこで、多くの遺品整理業者はこの「一般廃棄物処理」の許可を持っている業者と提携し、遺品整理で出る大量の廃棄物を処理しています。

悪徳業者の中には、この一般廃棄物の許可を持っていない・提携先もない、にもかかわらず、営業しているところもあります。また「産業廃棄物の許可あり!!」と、全く関係のない許可を謳っている業者もあります。
適切な許可がない業者にお願いすると、大きなトラブル(不法投棄など)に巻き込まれる可能性もあります。

最後に

遺品は、故人の大切な思い出の詰まったものです。しかし今の住宅環境や、ご遺族の状況などでずっと手元にすべてを残しておくわけにはいきません。不用品の処理などには多くの法律や行政のルールが絡んできて、なかなか進めるのが難しいこともあります。
しっかりとした業者を探すのに大切なのは、ご遺族の目です。

遺品整理で不用品の回収まで行ってもらえる業者を探すためのポイントとして、下記をしっかり押さえておきましょう。
① 「家庭系一般廃棄物」の許可を持っているか。またはその許可を持つ業者と提携しているか。
② 「産業廃棄物の許可あり」など、関係のない許可を謳い文句に出してはいないか
③ 企業ホームページの会社情報で、不用品回収の流れや提携企業などを確認し、併せて市区町村のホームページも確認しておく。(もちろん直接、電話で問い合わせることも可能)

すべての遺品整理業者がごみの回収まで行ってくれるとは限りませんが、お金を無駄にしないためにも、故人の遺品が無残に扱われないためにも、細かいチェックをし、遺品整理業者を選びましょう。

SNSでもご購読できます。