
「疎遠だった父が亡くなり、実家がゴミ屋敷になっていた。」という、2人の息子さんからのご依頼です。遺品整理をする時になって、初めて親の生活を知るという方は珍しくありません。Sさん一家は遺品整理を通して、最期に親子の会話が出来たように思います。
お住いのエリア:宝塚市
兵庫県宝塚市、阪急今津線の駅からバスで10分、バス停から徒歩5分の閑静な住宅街
作業対象の広さ
庭付き一軒家 4LDK 123平米
依頼主
30代男性、40代男性(ご兄弟)
依頼理由、希望
・疎遠だった父が亡くなった。母は3年前にすでに他界。
・訃報を受けて、3年ぶりに実家を訪れるとゴミ屋敷になっていた。
・ご近所への迷惑になるため一刻も早く、遺品整理を行いたい。
・家のものは基本的に全て処分してもらって構わない。形見の品も選ばなくていい。
・依頼主は県外に住んでおり、時間が取れない為、弊社に遺品整理業務を一任するとのこと。
・遺品整理が終わった後は、家屋を取り壊して土地を売りに出したい。
状態
築30年のご実家は、一見何の問題もないように見えました。ゴミ屋敷と聞いていたものの、玄関や駐車場といった人目につくところは片付いている状態です。
しかし、一歩室内へ入ると廊下を埋め尽くすほどの物で溢れ、水回りを中心に異臭を感じました。特に、生活の拠点であったであろうリビングは、天井までゴミが到達する勢いでした。
提供サービス
遺品整理サービス
家電を中心に買取の対象となるものも何点か見受けられましたが、ご依頼主様が希望されなかったため、買取サービスは実施していません。
居室に多少の汚れは残りましたが、家屋部分は取り壊すということで特殊清掃サービスは実施していません。
作業期間(人数)
1日間(4名)
作業費用
約22万円 ※買取サービス・特殊清掃サービスなし
立ち会いの有無
無し。
県外にお住まいとのことで、立ち合いはされませんでした。しかし、遺品の中身を全く把握されていなかったため、処分に迷う物があった時は電話で確認させてほしいという旨をお伝えし、ご了承を得てから作業にうつりました。
注意して確認したこと、行ったこと
「全て処分してほしい」という強いご要望だったため、基本的には廃棄するように作業を行いました。しかし、「依頼主様も知らない大切な遺品があるかもしれない」という思いで、慎重に判別させて頂きました。
また、ご近所へご迷惑がかかることを懸念されていたため、作業当日には両隣と裏手のお家にご挨拶を済ませてから作業にあたりました。慎重に遺品を見極めながらも、作業時間を短縮するため、スピード感をもって進めるように意識しました。
作業当日の様子
ゴミ屋敷になっていたのは、主に1階のリビングでした。2階に繋がる階段にもゴミが散乱していましたが、2階にあがってみると、時が止まったように息子さんたちの部屋が綺麗に残されていました。
急遽、依頼主様に連絡を取らせて頂きました。2階の物も処分するかをその場で相談し、「2階はそのままの状態にしてほしい」ということだったので、1階を中心に作業を進めました。
まず、1階リビングのゴミと遺品を判別することから始めました。リビングには、食品など腐敗しているゴミはほとんどありませんでした。お弁当の空き容器や缶、衣類など乾いたゴミが大半をしめていたため、ゴミを運び出す作業も比較的スムーズに行えたと思います。ゴミ屋敷から出る処分品の量としては少なく、2tトラック2台分で収まりました。
冷蔵庫とテレビは、年式が古いもののまだ使える状態でした。買取の対象として値段はつきましたが、ご依頼主様のご要望を優先し、弊社で責任を持って廃棄させて頂きました。
1番、作業時間を割いたのは1階の水回りです。全体に汚れがひどくカビが発生しており、異臭と害虫も見受けられました。濡れたままで放置されていたゴミの分別は、大変根気のいる作業でしたが、スタッフ一丸となって対応しました。
最も驚いたのは、お庭の花には手入れが行き届いていたことです。リビングの状況とはまるで違います。このお庭には故人の想いが残っていると感じ、ご依頼主さまにお伝えしました。
2階とお庭には手を付けず、1階のゴミを全て運び出した後、出来るだけの清掃をして作業完了となりました。
依頼主さまのご感想
今回、実家がゴミ屋敷になっていると分かった時は、兄弟そろって落胆するしかありませんでした。亡くなった父に対する怒りしか沸いてこず、この現状を一刻も早く打開したいという思いでした。
レートオフさんに依頼した時、想定よりも安価な見積額を提示して頂いたので、正直、作業内容には期待していませんでした。しかし、手つかずの2階や花が咲いていた庭など、実家の現状を的確に捉え、すぐに伝えて下さったこと、深く感謝しております。
ずさんな業者であれば、恐らく2階や庭のことは知る由もなかったでしょう。作業を終えた実家を訪れ、父の気持ちに思いを馳せ、兄弟で涙を流しました。
体裁ばかり気にする父親とは昔から仲が悪く、最期に看取ることも出来ませんでしたが、スタッフの方々のお心遣いでやっと父親と会話が出来たように思います。本当にありがとうございました。