遺品整理の経験がある方はお分かりかと思いますが、遺品整理とは想像以上に大変な作業です。「どう処分すればいいのか分からない」「なかなか前に進まず気力が続かない」そんな悩みを抱えながら遺品整理を進めている方に、是非一読して頂ければと思います。
遺品整理はなぜ疲れるのか
遺品整理は悩むことの連続です。「本当に捨てていいのだろうか」「これは残しておいた方が故人は喜ぶのではないか」と考えながら進めると、1歩進んでは立ち止まり、思い出話をしているうちに2、3歩下がる、そんなことになりがちです。遺品整理を終わらせたいと願うなら「思い切って処分する」、これに尽きます。遺品整理は、ある種の決意が必要なのかもしれません。
ここでは、遺品整理を停滞させてしまいがちな仏壇とベッドについて、その理由を処分方法とともにご紹介していきます。
仏壇の処分
高齢の方になればなるほど、仏壇をお持ちの方が多いかと思います。亡くなられた際は、ご遺族に継承されるのがこれまでの通例だったのではないでしょうか。しかし、時代の流れとともに、仏壇は家の中で見かけることが少なくなってきました。
最近の仏壇は、簡素で部屋のインテリアになじむようなデザインが人気になっているそうです。しかし、高齢の方がお持ちのものは昔ながらのお仏壇ではないでしょうか。故人の背丈を超えるようなものや、金箔ぬりのとても立派なものをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
仏壇の処分に困る方が多い理由は、その大きさにあります。居間や仏間に設置するタイプの仏壇の大きさは、だいたい高さが120センチ以上あります。大きいものだと2メートル近いものもあるのです。大きさもさることながら、仏壇は非常に重いです。平均的な仏壇の20号3尺サイズで50~60キロと言われていますから、驚きです。
次に処分をためらう理由に、鎮魂に関わるものだということが挙げられます。仏壇には魂が宿っていると言われます。特に信仰心の厚い方は、処分という言葉にすら引っかかるのではないでしょうか。仏壇は粗大ごみとして出すことも可能です。しかし、手を合わせて拝んでいたものを簡単に処分する気持ちになれないのも共感できます。
では、仏壇を処分するにはどうすればいいのでしょうか。まずは仏壇に入っている魂を抜かなければいけません。閉眼法要とも呼ばれるものですが、これは葬儀でお世話になった寺院に相談するとよいでしょう。法要が終われば仏壇は箱だけになります。寺院で処分までお願いできる場合はいいのですが、引き取ってもらえないケースもあります。
そんなときは、遺品整理を専門に行っている会社に連絡してみましょう。仏壇の供養だけでなく、処分までを一手に引き受けてくれるはずです。
ベッドの処分
仏壇同様、その大きさから「いざ処分しよう!」と思っても、すぐに捨てられないのがベッドです。粗大ごみに出すにしろ、自治体の回収頻度はそう多くありません。スプリングマットやベッドの枠はかなりの大物です。最近では家庭用の介護用ベッドも普及していますので、その場合は一般的なベッドよりもさらに大がかりな作業が必要になってしまいます。
ベッドはリサイクルショップを利用してみましょう。ベッドの状態によっては買い手が付きにくいと判断され、引き取ってもらえない場合もあるでしょうが、介護用ベッドは新しく購入するとかなりの高額ですので、状態のよいものはリサイクルできる可能性が高いでしょう。相談してみて損はないと思います。
遺品整理が苦痛になるのは、悲しいですよね。辛い作業になってしまうと、きっと故人も心を痛めるでしょう。みなさんの困ったことを少しでも解決する糸口になればと思います。