遺品をゴミとして処分するには?自治体でゴミ処分を依頼する際のポイント

遺品をゴミとして処分するには?自治体でゴミ処分を依頼する際のポイント

遺品整理を行う際、業者に頼むか自分で行うかは迷うところだと思います。遺品を片づけると必ず「捨てるもの」が出てきます。遺品整理を業者に依頼せずに行う場合は、大量に出てきたゴミをどのように処分するか、事前にきちんと決めておく必要があるのです。

自治体を利用するメリット

もし、遺族だけで遺品を片づけると決めた場合は自治体のゴミ収集を利用することになるでしょう。業者の手を借りない最大のメリットは、なんといっても費用が安く抑えられるという事です。燃やせるゴミや燃やせないゴミなど、収集の曜日が決められているような家庭ゴミであれば、もちろん無料で処分してもらえます。

ベッドやタンスなどの大型家具は粗大ゴミの回収を利用しましょう。都市部では有料の場合が多いのですが、自治体によっては年に数回設けられている粗大ゴミの日に回収ルールを守って出しておけば、無料で持って行ってもらえるところもあります。

自治体の焼却施設に直接持ち込むサービスを利用する手もあります。後で詳しくお話ししますが、この場合は費用が発生します。しかし、遺品整理を業者に依頼したときのことを考えれば格段に割安であることは間違いありません。

メリットは他にもあります。片づけに掛ける時間がたくさん取れる場合に限られますが、自分たちで遺品整理をすれば、遺族が自分の感情と向き合う時間が取れます。

業者にお願いすると、煩雑な遺品の片づけ作業もたった1日で終えてしまいます。そうなると、故人の持ち物を一つ一つ手に取り、思いを馳せることは難しいかもしれません。専門業者の方々も、遺族の思いを汲んで遺品を取り扱ってはくれますが、作業終了までに時間の制約があるのは事実です。

自治体のゴミ収集日に終わりはありません。遺品整理に時間的な余裕がある人は、通常のゴミ収集を利用しながら進めるのが賢明かもしれません。納得いくまで遺品と向き合い、ゴミとするのかしないのかを自分で決めたいという方には向いていると思います。

自治体を利用するデメリット

自治体を利用した時、デメリットに挙げられるのは「収集出来ないものがある」ということです。家電リサイクル法の対象になっている、エアコン・テレビ・冷蔵庫及び冷凍庫・洗濯機及び衣類乾燥機はゴミとして処分することが出来ません。別途、販売店で引き取ってもらうといった手順を踏むことになります。同じく、パソコンも再資源化が義務付けられているので、自治体にお願いすることは出来ないのです。

その他にも、灯油や廃油、ピアノ、バイク、タイヤ、消火器など家の中にありそうなものでも、収集を断られてしまうことが多々あります。処分したくても処分の仕方をイチから調べ直さないといけないという状況に陥る可能性があります。

更に、ゴミの分別作業が必ず必要になるため遺品整理が思ったように進まないという事態も考えられます。急いで片づけなければいけない時は、自治体のゴミ収集は適していません。

ゴミの持ち込みには事前の申し込みが必要ですし、出せるゴミの量も指定されている場合があります。加えて、大きなゴミは解体や破砕しなければいけないうえ、不用品の運び込みは自身で行うのが基本です。

他にもデメリットとして考えられるのは、遺品の取り扱いです。遺品の処分が普段通りのゴミ出しの手順と同じということは、もちろん供養などはありません。故人が大切にしていたものであっても、収集者はゴミとして扱います。ゴミに出す前に事前に供養だけをしてもらうという手もありますが、別途費用がかかります。そうなれば、自治体を利用して安く済ませられるというメリットが失われてしまいます。

公共のサービスを利用すれば費用が抑えられるとはいえ、遺族だけで遺された物を片づけるにはなかなか手間と労力がかかるということを頭に入れておきましょう。

ゴミ収集日を利用するときの手順

遺品を自力で整理しようと決めたのであれば、まずゴミ収集のスケジュールを確認してください。自治体によって、分別の種類や出し方、収集曜日は様々です。地域によっては、指定のごみ袋を購入しないといけないところもあります。住まいを同じにしていればゴミ出しのイロハを把握しているでしょうが、遺族が故人と別居していた場合は、まずそこから調べる必要があります。

大阪市を例に挙げると、普通ゴミ(週2回)、資源ゴミ(週1回)、容器包装プラスチック(週1回)、古紙・衣類(週1回)は全て無料です。使用するゴミ袋も、透明または半透明のものであれば、色つきでも大丈夫です。粗大ゴミについては、収集受付センターへの事前予約を行ったうえで手数料が発生します。

ゴミ出しの種類と収集日が分かったら、さっそく分別に取り掛かりましょう。突然のことであればあるほど、生活感の残った居室を片づけることになるでしょう。その場合、生ものや匂いの出るものから優先的に処分してください。冷蔵庫の中やゴミ箱のゴミなどをチェックし、一番近い普通ゴミの日に出してしまいましょう。

それさえ済ませば、その他のゴミは分別に多少時間がかかっても構わないと思います。遺品整理が前に進まないのは、よくあることです。後は気持ちの整理をしながら、ゴミ出しのルールに従ってゆっくり処分すれば良いだけです。

遺品の中には、もちろん粗大ゴミも存在します。大阪市で粗大ゴミを出す場合は、まず受付センターに申し込みをします。受付日は日曜日を除く月~土曜で、祝日もやっています。時間は午前9時から午後5時になっていました。ゴミの内容に応じて粗大ゴミ処理手数料券を購入し、ゴミに貼りつけて家の前や指定場所に運びます。粗大ゴミは、なかなか大きいものばかりでしょうから、近場とは言え、運び出しが大変かもしれません。

ゴミの持ち込みサービスを利用するときの手順

毎週の収集日では間に合わないという場合や、ゴミが大量すぎて収集場には置ききれないような場合は、直接ゴミを持ち込むことも可能です。

こちらも大阪市を例に手順を説明します。まずは、居住地を管轄する処理施設に予約をするところから始まります。なんでもかんでも持ち込めるというわけではなく、受け入れ可能なゴミの種類は限られていますので、持っていく前に事前の確認が必要になるでしょう。持ち込めないゴミがあった場合は、当然のことながら持ち帰りを命じられてしまいますので注意してください。

ゴミを運搬するための車も必要です。普通の乗用車にゴミを積むのは難しいでしょうから、軽トラックなど、それ相当の車両を手配しなければいけません。
ゴミを焼却場へ持ち込んだときに、10キロごとに90円を処理手数料として現金で支払います。一般的に使われている45リットルのゴミ袋で出す家庭ごみの重さの平均は、だいたい4~5キロだと言われていますので、いつもの2袋分で90円程度です。このお値段であれば、いつもより大量のゴミが発生したとしても、費用はかなり低く抑えられるのではないでしょうか。

自治体か業者か

遺品整理の専門業者に頼めば、細々としたゴミの分別ルールに悩まされることはないでしょう。その分、作業内容に応じた金額は必要になります。自治体のゴミ収集であれば、あまりお金をかけずに遺品を片づけることが出来るでしょう。

それぞれにメリットとデメリットがあります。個々の事情に合わせて、業者と自治体のいいところを上手に使い分けて利用されるのがいいのではないかなと思います。

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