「終活」という言葉を知っていますか?ここ数年で定着した造語です。「終末活動」の略と言われていますが、読んで字のごとく人生の終わりに向かって準備する活動を指します。後ろ向きに捉えがちな終活を、前向きな気持ちで取り組む秘訣をまとめました。
終活とは何をすること?
内閣府の調査によると、2015年(平成27年)10月の調査で65歳以上の高齢者は3392万人になりました。これは、日本の総人口の26.7%にあたります。そのうち、半数以上は配偶者や家族を持たず、高齢者だけで生活を送る独居老人とされています。終活という新しい言葉が瞬く間に世の中に定着したのも、この超高齢化社会が背景にあります。1人暮らしの高齢者が増えているため、痴呆になったときや亡くなったとき、家族は困惑しがちです。終活は、その時の混乱を軽減するための活動とも言えます。
終活が広がり始めた当初は、葬儀や墓などについて生前から準備することを意味していました。言葉の定着が進むにつれ、遺言や相続、延命治療の在り方や介護、身の回りの整理整頓にまでその範囲を広げています。終活とは、生前に自ら行う身辺整理全般を言います。
終活するときの心構え
年齢を重ねるにつれ、残りの人生の在り方について考える時間が増えるでしょう。自分の親や親族が高齢となり葬儀の機会が増えるようになれば、なおさら人生の終末を身近に感じざるを得ません。ともすれば、暗く悲しいことに思えてしまいます。しかし、終活はよりよく生きるため、よりよく亡くなるための準備だと前向きに捉えて下さい。終活を進めておけば、ご自身が亡くなられたあと、遺族も、そしてきっとあなたも天国で笑えるはずです。
終活の始める時期
終活を始める時期はいつでも構いません。しかし、病気がちになったり痴呆が始まってしまったりすると、なかなか終活を進めるのは難しいでしょう。出来るだけ、心身ともに健康であるうちに始められるのがよいかと思います。
終活の始め方
では、まず何から始めればいいのでしょうか?前述の通り、終活の幅も多岐に渡りますので悩むところです。ご自身が一番取り掛かりやすいと思うことから手をつけましょう。例えば、遺言や相続はとても大切なことではありますが、熟考が必要ですので、終活のリズムがつかめた頃に腰を据えて向き合えばいいでしょう。
最も始めやすいのは、身の回りの物の整理整頓ではないでしょうか?これまでの人生で、何度か大がかりな荷造りや断捨離を経験されている方も多いはずです。元気なうちは想像しづらいですが、故人の物が多すぎて遺族がその処分に悩むことは少なくありません。まずはご自身の持ち物を把握してみてください。懐かしい思い出の品や大切なものを前にすれば、遺言や相続のヒントが見つかるかもしれません。昔のアルバムや手紙を見返す事ができる、いい機会です。
ただし、あくまでも人生の終わりにむけた整理整頓ですから、ご自身の所有物をなるべく少なくすることを目指してください。身の回りに溢れていたものが片付けば、きっと気持ちまでもが軽くなることでしょう。
終活に行き詰ったら
終活の範囲は広く、一朝一夕にはできないものです。また、終活を初めてみたものの、健康であればあるほど手が止まりがちになるのではないでしょうか。終活に疲れたら、無理をせずインターバルを置きましょう。改めて向き合う気持ちになった時が、再開のタイミングです。前向きに進めるためにも、気分が乗らないときは手を休めてください。
終活は就活から作られた言葉だと言われています。やる気に満ち溢れていた若かりしあの日を思い出しながらエネルギッシュに取り組むことが出来れば、素敵な人生の終わりを迎えられるかもしれません。
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