遺品整理の悪徳業者、こんな手口に要注意

遺品整理の悪徳業者、こんな手口に要注意

核家族化が進む近年、様々な事情により遺品整理を業者に依頼する人が増えています。遺品整理の需要増加の陰に、悪質な商売を行う悪徳業者がいるのもまた事実です。今回は、悪徳業者によるトラブルの回避を図るため、彼らの手口を探っていきましょう。

高額な請求

遺品整理を業者に頼むと、どのくらいの料金が発生すると思いますか?実は、遺品整理に相場はありません。なぜなら、遺品の内容、部屋の状況、遺品の量などで料金は大きく異なるからです。
ここに目をつける悪徳業者がいます。相場がないゆえに、通常ではありえない見積りを平然と提示するのです。各社ホームページなどには料金の目安が表示されていることが多いので、目安を参考にして、あまりにもかけ離れた料金を提示された場合は警戒が必要です。不当な請求を受けないためには、何の作業にいくらかかるのかという詳細を盛り込んだ見積もりを出してもらいましょう。

追加請求

追加請求も、よくある手口のひとつです。契約時は格安の料金を提示したのにも関わらず、いざ遺品整理作業を開始すると「この遺品の廃棄には追加料金がかかる」「思わぬところから不用品が出てきた」などあらゆる口実で、どんどん追加料金を増やし、最終的には当初の見積もりよりはるかに高い金額を請求されます。特に悪質な業者だと料金が2~3倍にも膨れ上がることもあるようです。

確かに遺品整理の作業を開始してから、特殊な処分品(金庫や消化器など)が見つかることもあります。しかし、優良な業者であれば、契約後の追加料金は発生しません。
もし追加料金が発生する場合でも、依頼者に確認をし、了承を得た場合に適正価格で処分します。つまり、最終的な請求が2倍や3倍になることは、優良業者の場合、まずありえません。
依頼の際はまず見積もりを必ずとり、作業内容と料金をしっかり確認しましょう。もし、高額な追加請求が発生したら、見積もりの作業内容と照らし合わせながら、業者と相談しましょう。

不法投棄

これは、激安を売りにしている業者によくあるケースです。
遺品整理業者は本来、回収した遺品を自治体が定めた施設に搬入します。しかし、無許可の業者は、そもそも回収を認められていないので、正規の施設へ回収品を引き渡せません。その結果、山中や川底への不法投棄など、違法な手段で遺品が処理されてしまうのです。遺品の処分に費用がかからない分、破格の料金設定が可能となるのです。
もしも、あなたが依頼した遺品整理業者が不法投棄をしている場合、それが発覚すると困るのは、依頼者のあなたです。なぜなら、不法投棄されている遺品に個人を特定できるものがあれば、あなたに連絡が来て、厄介なトラブルに巻き込まれてしまうからです。
さらに最悪なケースになると、業者の連絡先がでたらめで連絡がつかない可能性があります。その場合、あなたが不法投棄を行なったと見なされる恐れがあります。
業者に遺品整理を依頼したら、その証拠として、領収書や担当者の名刺などを必ず保管しておきましょう。

無断で遺品を盗む

依頼者であっても、遺品の全てを把握している方は、そういないのではないでしょうか。何がどこにあるのかわからないため、物がなくなっても気が付きにくいものです。
そのため、現金や貴金属など金目のものを遺品整理業者に盗まれるといったトラブルは後を絶ちません。貴重品は必ず自分で管理をし、作業中は、現場に居合わせるように心がけてください。

当初の契約と内容が違う

最初に約束した契約内容を、きちんと守らない業者もいるので要注意です。回収してしまった遺品は、その後どうなったのか確認することは難しく、約束通り進めてもらえたのか曖昧なため、なかなか表には出ないケースですが一例を紹介します。
例えば、遺品の中にあった仏壇をお寺で供養する約束だったのですが、実際は供養されずにそのまま廃棄されていたというケースがあります。供養には多額の費用(お布施)が必要で、この費用を浮かせたいがため、ごまかしていたようです。
他にも、残しておいてほしいと伝えてあった遺品が回収されてしまったり、処分予定のはずが、知らないうちに転売されていたりという話も聞きます。「バレなければ大丈夫」という発想をするいい加減な業者がいるのは、大変残念です。

強引な営業スタイル

見積もり依頼をし、料金に納得がいかず、断ることもあると思います。
しかし、そんな依頼者に対し悪徳業者は「今日契約すれば値引きします」「ここまで値下げします」としつこく食い下がってきたり、または「受注しないと会社に帰れない」と泣きついてきたりして長時間居座ります。強引に契約書にサインを迫るような業者はやめておきましょう。

強引な作業着手

とんでもない話ですが、本当にあったトラブル例です。最初、業者は無料で見積もりをすると言って現場を訪れますが、見積もり終了後に、まさかの行動をとったといいます。実はひそかに外で仲間を待機させており、依頼者の意向に関係なく、その仲間を集めて遺品整理の作業を始めたのです。ここまで強引だと、恐怖すら感じます。
さらに、見積もりが無料というのは、契約した場合のみ適応され、見積もり依頼だけの場合は、出張費を請求すると言い張るのです。こうした悪質な業者も少なからず存在するので、見積もりをお願いするにしても、業者の選定は慎重に行わなければいけません。

遺品の取り扱い方が雑

遺品整理と不用品回収を兼業している業者によく見られるトラブルです。遺品整理は、不用品回収と異なり、処分するものを含め全てを大切に取り扱うべきなのですが、そうした意識が低い業者は、袋詰めにした遺品を、マンションの上から下へ投げ落としたり、トラックに遺品を投げ入れたりと遺品をまるでゴミのように扱うことがあるようです。
彼らからすると、業務を効率よくするためなのかもしれませんが、一歩間違えれば人にあたり大怪我をさせてしまう恐れがあります。そして何より、たとえ処分する遺品だったとしても、あまりにも雑な扱い方をされると、遺族である依頼者にとって腹ただしい限りです。

不適切な買取りをする

遺品整理業者の中には、まだ市場価値のある遺品を買い取ることがあります。買い取られたものは、その後、オークションなどで販売され、業者の利益となります。トラブルの元となるのが、その買い取り価格です。
遺品整理業者のほとんどは買い取りに関しては素人で、適切な査定ができません。金などは、市場価値が何となく予測できるのですが、骨とう品、家具、古書、古銭、美術品などは、どの程度価値があるものなのか、素人では判断が難しく、価格をつけにくいのが事実です。
業者は買い取ったものが転売出来なかったときのリスクを考え安く見積もるため、結果的に相場以下の値段をつけられてしまう可能性が高いです。まだ使える遺品を高く売りたい、大切な遺品を有効に使ってもらいたい場合には、遺品整理業者に買い取ってもらうのではなく、専門の査定士に鑑定してもらうほうがいいでしょう。

権利書や形見を処分される

遺品の中には、現金や貴金属と同様に、大切な土地の権利書が混ざっていることがあります。また、出来れば形見として保管したい品も発見されるかもしれません。
そうしたものを、依頼者に確認せず不用品とみなし、勝手に処分してしまういい加減な業者も中には存在します。
こうしたトラブルに巻き込まれないようにするには、業者にはまず仕分け作業を行ってもらい、保管するのか、処分するのかの判断は依頼者が行うようにしましょう。

最後に

悪徳業者によるトラブル例を見て頂きましたが、いかがでしたか。遺品整理はそう何度も経験するものではありませんが、もし、遺品整理業者の力を借りる事態になった時に、冷静な判断で信頼できる業者を見極めたいものです。トラブルに巻き込まれないよう、事前に情報収集しておくと安心ですね。

 

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